「四女」
一月三十日
大浦家に四女が誕生しました。
マコさん(仮名)は七十一歳。
入院中の病院から直接、大浦家へやってきました。
穏やかで前向き、そして頑張り屋。
まだ入居したばかりからかもしれませんが、こちらの提案をいつも笑顔で前向きに受け入れてくれます。
また、入院中にリハビリで行っていた起立運動も毎日、午前・午後と
かかしません。
入院期間が長かったので、大浦家での普通の暮らしがどれも久しぶりで、新鮮さすら感じているようです。
これから慣れてきて、どんな顔をみせてくれるのか、とても楽しみです。
「故人への想い」
大浦家の多床室は、個人の部屋ではない為、
持ち込めるものに制限があります。
今思い返すと、トミさんは入居当初から気にしていました。
それは、亡き夫の仏壇へのお供え。
大浦家に入居する前は、毎月の月命日には必ず、お刺身などをお供えし、お祈りする事を欠かさなかったそうです。
しかし、大浦家の多床室には仏壇を持ち込めない為、
ご家族が自分の代わりに月命日のお供えとお祈りをしているか気になっていたようです。
「ちゃんとお参りをせんと、おさわりがあるんじゃ。」と、
お参りを欠かすと、故人が家族などの身近な人に何かしらの身体の不調を起こす事で訴えてくる。
ということのようです。
そこで、簡単ではありますが、先月の月命日には、
家族にご主人の写真を頂き、額に入れてタンスの上に飾り、
御猪口に日本酒を入れて大浦家でもお祈りを出来る様にしてみました。
本人に言うと、
「そんなんせんでええ」
と言われる事が目に見えていたので、
こっそり準備して、夜就寝の際に見せて、
簡単やけどココでも月命日のお供えとお祈りをしようと伝えた所、
大号泣。
普段なんともないような表情で話していたので、
あまりの反応にびっくりしてしまいました。
きっと、わがままを言うと周りを困らせてしまうだろうからと、
本当の想いを抑えていたんだと思うと、とても考えさせられました。
その後、隣のベットで寝ているヨシさんも加わって、3人でお祈りをしました。