皆さんこんばんは(●´∀`)ノ
あきひこです。
前回の「動き始めた!」で、
いつものあきひこの長文を期待していたのに、
短文過ぎてがっくり来てしまったという方の為に、
(そんな人いないか・・(^-^;))
今回はめちゃ長文です。
今回はこれから介護サービスの利用を検討している方の為に、
介護業界の闇を包み隠さずお伝えした上で、
あきひこなりの事業所の選び方や、サービスを受ける心構えなどを書いてみました。
少しでも参考になれば幸いです。
一気に書いたので、雑です。
その点はお許しください。
「 介護サービスを検討中の方へ 」
これから介護サービスを受けようと考えている方へ。
ここには、10年以上介護職をしてきた私個人が考える、
介護サービスを受ける上での注意点や素直な意見を書いております。
もしかしたら介護業界への期待を裏切られる内容もあるかもしれません。
それでも、現状を知って頂く事で、
自分に合うサービスや満足できるサービスを正しく選択し、
利用して頂く為の一助になればと願い、書きます。
その一「幻想を持たない」
介護サービスを受ける時。
病気を医師に治してもらうように、
家を大工に建ててもらうように、
自分では到底出来ない事を介護職がやってくれると思ってはいませんか?
実はそれ、間違いです。
もちろん、介護職は高齢者をみる上で必要な介助技術や簡単な医学的知識を学んだ上で仕事に臨んでいます。
しかし、それは医師や大工の様に一般人が一朝一夕では到底身につけられない様なものではありません。
実際、介護サービスの種類によっては、介護の資格を持ってなくても介護職として働ける所もあります。
また、介護職が一番初めにとる資格、初任者研修(旧ヘルパー2級)は1ヶ月程で取得出来、試験もありません。
実際、こんなことがありました。
介護業界は慢性的な人材不足なのですが、2008年のリーマンショック以降、
職を失った人が大量に介護業界へ流入し、一時的に人材に困らくなるという現象がおきました。
つまり、それだけ始めやすい職種という事です。
極端な話、皆さんにもし自分で親を介護する時間と余裕があったとして、
皆さんが行う介護と介護職の実力差は実は大してありません。
だから、介護職が自分達には到底出来ない様な事をやってくれるというような幻想は持たないで下さい。
自分がやるのと変わらない感じで見てくれると思って頂いた方が、現実に近いです。
その二「何を求めるかを決める」
どの事業所の介護サービスを利用するかを決める前に、
何を重要視するかを事前にご本人やご家族で話し合い、
決めておいて下さい。
「本人の楽しみ」「健康管理」等。
ただし、一つ注意点があります。
「積極的な外出や遊び等の活動」と、「怪我をしない安心・安全な体制」
この二つは両立しませんので、この二つが条件に挙がった場合は、
「怪我をするかもしれないが積極的な外出や遊び等の活動」か、
「怪我をするくらいなら外出や遊びは制限」のどちらかにしてください。
動くという事はそれだけで怪我のリスクが発生します。
怪我を完全に防ぐ方法は、動かない以外ありません。
条件を決めずに事業所を探しを始めると、
その数の多さ、種類の多さに混乱します。
おそらく皆さんは訳が分からなくなり、
結果担当のケアマネージャーさんのおすすめする事業所を体験、
体験時特に問題がなければそのままサービス開始。と、いう流れになるでしょう。
この場合、後からもっとこうして欲しいとか、
ここまでやってくれると思っていた等の不満が出る事も少なくありません。
デイサービスや訪問介護などのサービスであれば、まだ変更しやすいかもしれませんが、
入居施設などの場合だと費用も掛かるので、そう簡単には変更も出来ません。
何より事業所をコロコロ変えるのは、その度に人間関係を築いていかなければならないご本人にとって、
負担になってしまうので出来るだけ避けなければなりません。
だから始めにご本人、そして家族が事業所へ求める条件は何かをはっきり決めた上で、
探す事が重要になります。
条件が決まっていれば、条件にあった事業所を探すだけなので、混乱する事もありません。
自分で探さなくても、ケアマネージャーへ条件を伝え、探してもらってもいいでしょう。
そして、もう一つ重要な事。
条件に合う事業所を最低3件見つけ、
見学又はサービス内容について説明を聞く事。
複数の事業所を知る事で比較でき、
さらに希望条件プラスアルファの好条件の事業所を選択できるからです。
その三「人を見る」
事業所の候補が決まり、いざ見学。
その時に注意して頂きたいのが、建物や設備の豪華さに気を取られない様にする事。
介護サービスの満足度というのは、
最終的に事業所とご本人、ご家族の信頼関係の強さに比例します。
では、その信頼関係はどこから来るのかと言うと、人間関係です。
事業所スタッフの人柄や利用者への対応の仕方、有事の際の対応の仕方、
サービス利用時の様子の報告のきめ細やかさ、等など。
結局は、その事業所の人間との関係が一番重要になってきます。
建物や設備が立派だからといって満足する事はありません。
よって、見学に行った際は、自分達を対応する事業所の人の対応や
そこのスタッフの利用者に対する対応など、
人間を見る様にして下さい。
見学する間の短時間で分かる事は少ないかもしれません。
ただ、少ない中でも見学に行った3件の事業所を比べ、
一番好印象だった所を選べば、失敗は少なくなると思います。
その四「割り切り」
事業所が決まり利用開始。
皆さんは煩雑な作業も終え、
条件に合った事業所を選ぶ事が出来、ホッと一安心していると思います。
しかし、これからサービスを利用し続ける上で、
知っておかなければいけない事がいくつかあります。
「嘘でしょ」と、思うかもしれませんが、
どうにもならない現実として現状を正しく知り、
割り切ってサービスを利用する事が大切です。
では、介護業界の実情・問題ついて簡単に説明します。
その一でも少し触れましたが、介護職は専門職とは言われますが、
その専門性や技術自体は大したものではありません。
これは様々な原因があるのですが、
その一つに、その専門性を探求し突き詰めるだけの経済的余裕がない事があげられます。
経済的余裕とは、会社が職員へ教育するためのお金、
そして職員の給与、どちらにも余裕がありません。
会社の売り上げの内、人件費が占める割合を人件費率と言いますが、
介護などの福祉業は多職種と比べても
段違いにこの人件費率が高く、60~70%を占めます。
これは、売上が100万円だとしたら、
職員の給与だけで60~70万円かかるという事です。
そして、残ったお金から備品・消耗品・ガソリン・催事・広告宣伝などの
様々な必要経費を差し引くと、ほとんど利益が残らないのです。
また、介護業は利用者が体調を崩したり、
亡くなったりするなどして、サービスを利用できなくなる事が日常。
利用者が減れば、収入も減ります。
しかし、収入が減ったからと言って職員をクビにする事はできません。
だから、仮に多少利益が残ったとしても、それを職員の教育へ投資するリスクは犯せないのです。
そして職員自体の給与も全国平均を遥かに下回ります。
職員個人が介護を極めたいと思ったとしても、その余裕がありません。
さらに、報酬と負担・責任のアンバランスも問題です。
今述べた通り、介護職の報酬は多職種と比べてもかなり低いと言えます。
にもかかわらず、ひとつ間違えれば人の命を危険にさらしてしまうという、
とてつもなく重い責任を負わなければなりません。
さらに、介護職は日常的にも高齢者を介助する事で腰を痛めたり、
身体を悪くしてしまうという身体的負担。
さらに高齢者に怒鳴られたり、殴られたり、
汚物の処理をしたりという精神的負担なども大きいです。
その他にも感染リスクに日常的にさらされていたりと例を挙げればキリがありません。
結果、介護職から多くの優秀な人材がいなくなり、
介護業界は慢性的な人材不足に陥っています。
介護職の離職率は17%程度。
これは5・6年もすれば元居た職員が全員辞めているという計算になります。
一部ではありますが、これが介護業界の現実です。
つまり、会社に教育する余裕がなく、
人材不足で数年で職員が入れ替わるということは、
今満足しているサービスや良好な人間関係を、
数年後も受け続けられるとは限らないという事です。
皆さんにはこれらを踏まえサービスを利用して頂きたいと思います。
満足できなくなって、相談しても改善が見られない様であれば、
良かった時の事は忘れ、割り切って事業所を変えましょう。
「最後に」
悲観的な事ばかりお伝えしましたが、
介護業界が絶望的かと言うと、そんなことはありません。
客観的に見て絶望的な状況であるにも関わらず、
少なからずこの仕事をし続けている人がいる。
これは裏を返せばこんな状況にも負けず、
信念をもって現状を打破しようと、
高齢者のこれからを変えようと、
あがき、もがき、頑張っている人がいる事の証明でもあります。
私は以前、個人的に様々な事業所を見学して回っていた時期がありますが、
その時に数件ではありますが、
何故そこまで利用者の為に自分を犠牲に出来るのかと思う程、
信念を持って介護をしている事業所に出会いました。
希望を持って探し求めれば、
皆さんもきっとそんな素敵な介護者、事業所に巡り合えるはずです。
皆さんがそんな素敵な介護者、事業所と巡り合えることを、
こころから願っております。