「 十女 」
平成三十年八月二日。
大浦家十女となる、ミコさん(仮名)がやってきました。
彼女は身体は元気ではあるものの、
ごく軽度な物忘れと難聴があります。
とても明るく、笑顔が素敵な彼女。
彼女が大浦家に来る事になったのは、生活環境に問題があったからです。
彼女はご主人に先立たれ、お子さんもいません。
義理の妹さんが身の回りのお手伝いをしながら、
妹さんの家の近くの古いアパートで独り暮らしをしていました。
もの忘れや理解力の低下、運動能力の低下などから、
一人で外出しては転倒して怪我をしてしまう事もあったそうです。
妹さんにも自分の生活があります。
常にミコさんのお世話が出来るわけもなく、
忙しい中で何とか時間を作り、
病院受診や買い物などをしていましたが、それも少しづつ負担となってきたようです。
なにより、一番の問題はアパートでした。
床はすぐにわかるほど傾き、給湯器が壊れているのか、お湯はでない。
さらにはエアコンもついていませんでした。
今年の夏は、ニュースでも度々注意喚起された様に、
『命にかかわる暑さ』
部屋に置いていた扇風機ひとつで乗り越えられるワケがありません。
ご家族とケアマネさんは施設を検討します。
しかしまだ身体は元気なので、
施設よりも生活を楽しめる所が良いという事で、大浦家を選んで頂きました。
ご本人もひとりでの生活に限界を感じていたのか、
嫌がる事もなくすぐに大浦家に馴染む事ができました。
私達は気付きませんでしたが、
ご家族やケアマネさんから見ると既に変化が出てきている様で、
「なにか最近あか抜けた」
「家事の手伝いなんて絶対しなかった」など、
色々と変化があるようです。
変化があったのは、ミコさんだけではありませんでした。
最近気づいたのですが、
ミコさんは大浦家スタッフにも変化をもたらした様です。
ミコさんが現在週に3回通っているデイサービスに超イケメンの方がいるのですが、
その方がお迎えに来る度に、大浦家の女性スタッフが色めき立っているのです。
もちろん、ミコさんもその方が大好き。
どうやら男性に限らず、女性も幾つになっても男前が好きな様です。