「 命の授業~自分の中で生かす~ 」
(※今回のテーマは、ここで書く内容ではないのかもしれませんが、
みなさんにこの仕事の事を、高齢者の方々の事を知ってもらいたいので
書く事にします。)
高齢者と関わる仕事をする上で、
私がとても大切にしている事のひとつに、
ある事柄からどれだけの事を感じ取り、自分の知恵に出来るか。
というのがあります。
知識ではなく、知恵です。
簡単に言うと、ただ知っているだけでなく、自分の経験値として身につけ、
以後の自分の行動に活かせる様に出来るかどうかという事です。
わかりやすい例をひとつ。
私は、機会がある毎にスタッフに、
「やった方がいいと思った事、やったら喜んでもらえるんじゃ
ないかと思った事は、最短最速ですぐやりなさい。」と言います。
合わせて自分が過去に先延ばしして後悔した時の具体的な話をして、
「今一緒に笑って話している方が、明日亡くなる事もあるのだから、
後悔しない様に一日一日、精一杯関わる様にね。」と言います。
私は過去の体験から、それを自分の知恵にし、その後に活かしてきました。
(過去の大浦家日記などを読んで頂けると分かると思います。)
当然、今回のモリさんの救急対応をしたスタッフ(※以後、彼と書きます。)にも話していました。
しかし、私の様に実体験のない彼は、
私の話を知識として理解しているだけだった為、
あまり自発的な行動は見られず、
今出来る事も先延ばしして中々行動しない所がありました。
しかし、今回のモリさんの事で、
彼に心境の変化が起こっているようです。
モリさんを救急搬送し戻ってきた彼と話しをした際、
彼はこう言っていました。
「つい1時間前にトイレに連れて行った時は普通に楽しく話していたのに、
その1時間後には胸が痛いと言って意識が無くなってしまった。
あまりの変化にショックだった。」と。
彼は、この時に本当の意味で私の話しを理解したんだと思います。
また、退院したモリさんを見て、
彼はこんな事も言っていました。
「たった2週間の入院でこんなに身体の動きが悪くなるとは思ってなかった。」
普段、元気な時の入居者の方々と楽しく過ごしていると、
頭ではわかっていても、
明日も今日と同じように入居者の方々と過ごせると思ってしまいます。
だから、今日出来る事も明日に回してしまったり、
面倒な事は避けてしまったりという甘えが出てきてしまいます。
でも現実は、
私達よりも体が弱く、
私達よりも幾つも持病を抱え、
私達よりも残された時間が短い。
私達が軽んじて何気なく過ごす1日が、
高齢者の方々にとってはとても大切な1日なのです。
それを私達は心に刻み、知恵とし、
自分を律し行動に活かしていかなければなりません。
今回のモリさんからの命を賭した授業で、
当社スタッフが何をどこまで感じ取り、
どれだけの事を自分の知恵と出来るのかは正直わかりません。
1つだけのスタッフもいれば、5つのスタッフもいるかもしれません。
例に挙げた彼も、心境の変化は起こっていますが、
それを自分の知恵として行動に移せる様になるかは、今後を見ないとわかりません。
ただ、私はモリさんの命の授業を無駄にしない様、
それぞれのスタッフが1つでも多くを感じ取り、
自分の知恵に出来る様に見守り、サポートして行きたいと思います。
高齢者の方々は、自分のその命をもって私達へ色々な事を教えてくれています。
高齢者の方々との接し方やリスクはもちろんの事、その方自身の事や、
その方を通して私達自身の事までも教えてくれます。
私達が病気や死をコントロールする事は出来ません。
ならばせめて、起きた事から多くを感じ、余すことなく自分の血肉にし、
今後に活かす。
それが私達がその方の為に出来る最大限の事ではないでしょうか。
なぜなら、それはその人を自分の中で生かすという事だと思うから。
実際に、今の私の人間としての考え方や行動は、
今まで私と関わり、色々な知恵を授けてくれた方々が創っていると感じます。
だから、今関わっている方々も、昔関わった方々も、
関わって既に亡くなっている方々も、
今もみんな私の中で生きています。
きっとみなさんの中にも、
今の自分の考え方や行動に影響を与えてくれた人達が生きているのではないでしょうか?
人はそうやって影響を与え続けて行く事で、
ずっと誰かの中で生き続けられる。
そう考えると、何か素敵ですよね♪