「 逆さの鱗 」
この大浦家・上津役家日記を 毎月読んで頂いている方は、
お気付きかもしれませんが、私は小さい頃からよく屁理屈だと言われます。
そして自分で言うのもなんですが、比較的気が長い方で、ほとんど怒る事はありません。
そんな私でも、昔から仕事中の同僚や上司、
他施設の方との交流時や公的な研修会などでの介護職の何気ない発言や行動に対して、
怒る事はないのですが、イライラの感情を抱く事がよくありました。
でも、自分がどの言動の何に対してそういった感情を抱いているのか、よく分かりませんでした。
しかし最近、私が何に対してイライラしていたのか。
それがようやくわかりました。
きっかけはうちのスタッフの、これまた何気ない言葉でした。
それは、『リビングに温度湿度計がほしい。』というもの。
特におかしな事を言っているわけではないのに、
この時点で私の内心ではイライラが沸き起こっていました。
私は、「何のためにですか?」と、返します。
すると、こう返ってきました。
『普通、介護施設にはあるでしょう。』
この瞬間に、私は自分の逆さの鱗がどこにあるのか自覚しました。
それは、世間では普通じゃない『介護業界の普通』
そして、介護職の『高齢者は守ってあげる対象』という驕り。
この時の場合で言うと、高齢者は弱く守ってあげないといけないから、
自分達が過ごしやすい室温・湿度に管理してあげなければいけない。
介護業界ではどこも当たり前にしている事だからやった方が良い。
という、このふたつの思いから、自然と出て来た言葉なのです。
私の気持ちとしては、
『高齢者を弱者と決め付け、勝手に守ってやる対象にしないでほしい。
自分で判断し、行動する力がまだまだ沢山あるのだから。
そして、介護業界で当たり前として行っている事が、
本当に介護者として正しい事なのか?
そして世間一般でも当たり前な事なのか自分の頭で考えて欲しい。』という事です。
介護職の目的は利用者の『自立支援』であるはずです。
出来ない部分を手伝いつつ、自分で出来る部分を増やす、もしくは維持出来るように支援していく。
それなのに、何でもかんでももっともらしい理由をつけて、
支援する側が管理する事が本当に正しいのでしょうか?
管理してしまう事で本人が自分で行う機会や感じる機会、
判断する機会を介護者が奪ってしまってはいないでしょうか?
施設が年中快適に保たれる事で、考えたり感じたりする能力や、
季節の変化に対しての抵抗力が低下しているとは考えられないでしょうか?
人は十人十色。
支援する人も受ける人も様々。
正解は関わる人の数だけあるのかもしれません。
だからこそ、重要な役割を担う介護職には当たり前とか、普通とか、
そう教えられたからとかではなく、自らの頭で考えて、
本当にその利用者の方の支援の形として正しいと思った支援の方法で、
仕事をして欲しいと願っています。
以上、屁理屈で怒らない私にも逆鱗があったという、お話しでした。
今年ももうあとわずか。
今年はシェアハウスの家族も増え、本当に色々な事があった、本当に充実した一年でした。
来年は大浦家、上津役家ともに一泊旅行もあります。
さらに、各シェアハウスでは来年行う新しいチャレンジについても検討しています。
屁理屈な私とスタッフですが、(※スタッフは屁理屈ではありません。)
今年も最後まで、そして来年も、入居者の方々と一緒に、
全力で楽しんで生活していける様に頑張って参りますので、
今後共、皆様のご支援とご協力の程、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
それでは皆様、くれぐれもお身体にはご自愛頂き、良い年末をお過ごしください。
そしてまた、正月や正月明けにお元気なお顔を見て、
ご挨拶させて頂くのを、楽しみにしております。