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●『 大浦家・上津役家日記~2021年6月号~ 』 | ブログ | 北九州市の老人ホームなら合同会社GLADLifeCreate | 丁寧

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  • ●『 大浦家・上津役家日記~2021年6月号~ 』

●『 大浦家・上津役家日記~2021年6月号~ 』

  • 皆さんこんばんは(●´∀`)ノ あきひこです。

    先月は大浦家・上津役家日記をブログにアップせず、すみませんでした。

    実は先月も紙面では大浦家・上津役家日記特別編をお送りしておりますが、

    ブログではすでにアップしている内容なので、同じものをアップするのもなぁ・・・。

    と思い、先月はブログの方にはアップしませんでした。

    今月は久しぶりに通常運転で新しい内容を書きました。

    読んで頂ければ嬉しいです。

  • 113_R

    「二度目の別れ」

     

    令和3年5月12日。

    大浦家九女である、ユミさんが天国へと旅立ちました。

    享年82歳。

    彼女とは私が独立する前からの付き合いでした。

    私がまだ施設に勤めている時に、彼女はその施設にやってきました。

    彼女はいつもニコニコ顔で上品な笑顔を絶やさない人でした。

    しかし、その笑顔とは裏腹に、その首元にはいつもサポーターのような物を巻いており、

    その下には目を覆いたくなるほどの火傷の跡がありました。

    入居前、彼女は中咽頭側壁癌という、喉のあたりの癌が見つかり、放射線治療を受けました。

    その放射線によってできた傷でした。

    当時ご家族に聞いた話によると、治療当時は首回りなどの体の表面だけでなく、

    癌を死滅させる為に放射線を当てた部分の体の中、口や喉の中まで焼けただれ、

    水や唾を飲み込むのでさえ激痛を伴うほどだったと聞きました。

    そんな大変な治療を経て病気に打ち勝ち、

    今、こうして目の前で何事も無かったかのように上品に笑う彼女を見て、

    とても強い人なんだなぁと思ったのを覚えています。

    その後、時間がたつにつれて火傷の跡も薄くなり、食事も食べられる様になり、

    彼女がどんどん元気を取り戻して来た頃。

    私は施設を退職する事になり、彼女との付き合いも終わってしまうものだと思っていました。

    それから1年ほど経ち、私が独立して大浦家を設立してしばらく経った頃。

    突然、知らない番号からケータイに着信が入ります。

    「はい、砂川です。」

    『〇〇です。』

    「???」

    名前を聞いてピンと来なくてしばし無言になった私の様子を悟ったのか、

    「以前施設でお世話になったユミの娘の〇〇です。」 と続け、やっとわかりました。

    私は以前の施設の関係者には、連絡先はもちろん、独立する事も伝えていなかったので、

    まさか以前勤めていた施設の入居者ご家族から連絡があるとは思ってもいませんでした。

    聞くと、現在入居している施設を退去させたいと思い別の施設を探していた所、

    偶然大浦家のHPを見つけ、

    そこに載っている写真に私が写っているのに気付いてお電話を下さったとの事でした。

    その後、見学、体験入居を経て、彼女は大浦家の一員となりました。

    久しぶりに会った彼女は、私の事は忘れていたようでしたが、

    それでも以前と変わらない上品な笑顔を私に向けてくれ、とっても嬉しかった事を覚えています。

    彼女は几帳面でよく働く方でした。

    洗濯物や掃除、調理、買い出しなど、

    お手伝いをお願いすると嫌な顔ひとつせずにいつもの笑顔でひきうけてくれました。

    そういえば、こんな事がありました。

    彼女は、認知症の症状として、色々な物を収集し持って行ってしまうという症状があり、

    彼女がいつも持っている小さなバッグには、

    洗濯ばさみや残したおやつ、ティッシュや服用後の薬の空袋などが綺麗に畳まれて入っていました。

    スタッフは定期的に彼女がいない隙を狙い、バックの中身を回収、整理して対応していたのですが、

    ある時、ご家族が面会に来るたびにバックやタンスの中に色々な物が収集されているのを見て、

    「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。」と、お電話を頂いた事がありました。

    私は色々な物を一生懸命収集している彼女を、なんだか可愛らしいというか微笑ましく思いながら、

    止める事なく横目で見守っていたので、まさかの謝罪のお電話にびっくりしてしまいました。

    ご家族には、

    『全然気にしなくていいですよ。誰にも迷惑はかかっていないので。

     それに、それをする事で少しでも彼女の気持ちが安心したり、落ち着くのであれば、それが一番ですから。』と伝え、

    「よかった。そう言って頂けると嬉しいです。」と言って頂き、

    引き続きスタッフや私が微笑みながら横目で彼女を見守る日々を続ける事になりました。

    その後、彼女とは色んな所に行き、色んな事をしました。

    日々のお出かけはもちろん、大衆演劇やサーカス、ボーリング場、カラオケボックス、

    グリーンパークのバラフェア、別府への1泊2日の旅行にも行きました。

    今、これまでに撮った数えきれないほどの彼女の写真を眺めながら、

    彼女と過ごした日々や思い出が、走馬灯のように頭の中を駆け巡っています。

    不思議なのは、彼女は好き嫌いもあり、小食だった筈なのに、

    良い表情の写真は、決まって何かを食べている時の写真だという事です。

    そして今年の3月。

    彼女は熱を出し、入院する事になりました。

    20日ほどして退院となったのですが、驚いたのは、入院中ほどんど食事を摂ろうとしなかったとの事で、

    ただでさえ痩せていた彼女が、さらに痩せた状態だった事です。

    それでも、入院前と変わらず上品な笑顔を私達に向けてくれる彼女に、

    これから出来るだけご飯を食べて体重を戻して行こうと声を掛け、一緒に笑いました。

    しかし、帰ってきてからも彼女は中々食事を摂ろうとはしてくれませんでした。

    食事を摂ろうとしない彼女を見たかかりつけの内科医は、終末期に差し掛かっているのだろうとの判断でした。

    私も亡くなる前に食事を食べなくなる方は何度も見てきたので、医師がそう判断するのもうなずけます。

    上津役家の家族だったタケさんも、シマさんもそうだったから・・。

    でも・・・でも・・・。

    彼女は違う。

    そう思いました。

    理由は2つありました。

    ひとつは、退院後、かかりつけの訪問歯科に診察に来てもらった所、

    口の中の状態がかなり悪くなっているとの事で、

    すこし歯や歯茎にものが触れただけでもかなり痛がる様な状態だった事。

    これが食事を摂ろうとしない原因ではないかと思いました。

    もうひとつは、私が今まで見てきた方は、そのほどんどがただ食べないだけでなく、

    身体機能や生活意欲など、全体的に弱っていく方がほどんどでした。

    彼女は食事を食べず、歩行も不安定にはなっていましたが、

    それ以外は今までと変わらずレクレーションやお手伝いを笑顔でやってくれており、

    問題は食事の面だけだったからです。

    彼女はまだ82歳。

    老衰で亡くなるには早い。

    きっと癌に打ち勝った時のように、今回も乗り越えて元気になってくれる。

    そう信じていました。

    もちろんご家族も同様でした。

    兎にも角にもまずは口の中の状態を良くする事が先決。

    歯科医の指示の元、毎日3回、痛がり、嫌がり、抵抗する彼女をなんとかなだめながら、

    スタッフは彼女の歯を磨きます。

    ただ、口の状態はすぐ治るものではない為、同時に彼女が少しでも口にしてくれるものはないかと、

    スタッフは思いつく限りの食べ物、お菓子、栄養ドリンクを勧めたり、ミキサー食を作ってみたりします。

    ご家族も彼女が食べてくれそうな好きだった食べ物やお菓子などを持って来てくれました。

    栄養補助ドリンクやチョコレートなど、少しは口にしてくれるようになりましたが、

    身体の栄養状態を維持するのには全然足りないくらいの量でした。

    このままでは食べられる状態になる前に栄養が不足して弱ってしまうか、

    脱水を起こしてしまう・・・。

    そこでご家族と話した上で、乗り気ではない医師に何とか頼み込み、

    訪問看護による点滴をして頂く事になりました。

    そして点滴を開始して1週間程。

    改善は見られず、点滴の疲れもあってか、彼女は徐々に眠る時間が増えてきて、

    トレードマークの上品な笑顔も見られなくなっていきました。

    遠方に住む息子さんが状況を聞いて胸騒ぎを感じたと、心配して急遽駆けつけてくれました。

    医師はもう先は長くないだろうとご家族に話し、点滴もやめるとの判断を下しました。

    それでもまだご家族も、私達も信じていました。

    長時間の点滴で疲れて眠っている事が多いので、点滴をやめて意識がはっきりしている時間が増えたら、

    口の状態も良くなって来ているのでもしかしたら食べてくれるかもしれない・・・。

    そして、令和3年5月12日朝。

    スタッフから彼女の呼吸がかなり浅くなっており、反応もほとんどないとの報告を受け、

    すぐにご家族、医師、訪問看護、ケアマネに連絡。

    ご家族や関係者に見守られながら、彼女は天国へと旅立ちました。

    ご家族は涙を流しながら彼女との別れを惜しみ、顔や頭を撫で、彼女を抱きしめていました。

    その後、訪問看護の方々の勧めで訪問看護の方々と一緒に彼女の身体を綺麗に拭き、

    綺麗な格好に着替えをさせてあげていました。

    私は何もできず、ご家族に気の利いた言葉をかけることもできず。

    ただただ茫然と立ち尽くし、その様子を見守る事しか出来ませんでした。

    覚悟をしていなかったわけじゃありません。

    最近の状態から、医師の言う通り、もう先が長くないかもしれないと、頭の中では感じていました。

    でも、それ以上に彼女の生命力を信じたい。

    まだまだ一緒に色々な事をしたい。

    その気持ちの方が強く、それを受け入れられなかったんだと思います。

    私も20年近くこの仕事に携わり、

    それなりに別れも経験してきましたが、今だにわからずにいます。

    私はどうするのが正しかったんだろうか?

    無為にご家族に希望を持たせ過ぎて余計に悲しませてしまったんじゃないか?

    最後を安らかに迎えようとしていた彼女に痛い、苦しい思いをさせてしまったんじゃないか?

    何度考えても答えは出ません。

    その後、コロナ禍という事もあり、葬儀は家族葬という形で行われる事になりました。

    私はご家族の許可を頂いた上で葬儀屋の方と話し、

    他の弔問者の方々がいないタイミング、短時間で手を合わせたらすぐに引き上げる事、

    マスクや手指消毒などの感染予防を徹底した上で、

    病院受診などで行けない方を除く大浦家の家族のみんなと一緒に、最後のお別れに伺う事にしました。

    帰り際、まだ気持ちの整理もつかず、彼女の死を受け止められず、

    悲しみの中にいるはずのご家族の皆様から、

    「皆さんも身体に気を付けて、母の分まで元気でいて下さいね。」と、声を掛けて頂きました。

    私はそれを聞いて、ご家族の気持ちを思うと胸を締め付けられ、

    声を発する事ができず、ただただ頭を下げる事しか出来ませんでした。

    後日、やっと少し落ち着いたとの事でご家族から連絡を頂きました。

    突然の事で悲しいのは当然ですが、最後に家族で看取る事が出来て、

    大浦家で大浦家の皆さんに囲まれた状態で最期を迎える事が出来て良かったと思っています。

    と言って下さいました。

    私達は、彼女と過ごした日々、彼女のあの笑顔、彼女に教えてもらったことを決して忘れません。

    本当にありがとうございました。

     

    「天国の貴方へ」

     

    お元気ですか?

    そちらでサエさん、マコさん、タケさん、シマさんと仲良くやっていますか?

    こちらは貴方の笑顔が見られなくなって、心に穴が開いたようで、まだなんだか寂しいです。

    でも、大丈夫。

    貴方の分まで皆で笑って過ごせるように頑張るよ。

    しんどくなったら、昔趣味で油絵を描いていて、自宅に沢山作品があるからと、

    ご家族が持って来てくれた貴方が描いた素敵な油絵が大浦家の廊下に飾ってあるから、

    それを見て気合を入れ直すよ。

    だからどうかあの絵を通して皆の事を見守っていて下さいね。

    思い返せば、私と貴方は二度出会いましたね。

    一度目は私が勤めてた施設で。

    二度目は大浦家で。

    一度目は私の都合でお別れになり、

    二度目は貴方の都合。

    次に貴方とまた出会う時にはもう別れる事はないと思うから、これでおあいこかな。

    それまではそちらの皆と楽しく、のんびり過ごして待っててね。

    本当に、ありがとう。

  • 114_R
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